Suzu Masa ブログ

辛酸なめた男が美容室「経営」をリアル・ガチで語る

ポストコロナを見据えたサロンの戦略

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ポストコロナ(コロナ後)を見据えた経営・ビジネスとは? オンラインでセミナーを受講しました。非常に啓発されることが多かったので、それに関連したことを書きます。

 

セミナーの結論を先に言ってしまえば、デジタル社会が今後は一気に加速するということです。経産省のレポートには、DX(デジタルトランスフォーメーション)に本格的に取り組まなければ、年間12兆円の損失が発生し、同時に既存のデジタルシステムに人材もコストも費やされ、このままでは日本企業はガラパゴス化して国際競争力を失う、とされています。

だから国も産業界もDXのもと、デジタル化の一層の加速にまい進しているのですね。

 

そんなデジタル化のなかにあってもなお、理美容業の限りない可能性に確信を持ったこと。そんなことを述べたいと思うのですね。

 

さらなるデジタル化の加速

 

Withコロナの現在、リモートワークを強いられたのですが、そこで明らかになったことは、リモートワークは今後定着していくなということ。

 

会社にとっても、通勤交通費の削減、オフィスコストの削減(極端な話、なにも東京の都心部にオフィスを構える必要はないことも含めて)のほかに、なんと!テレワークを推進する事業者に対して支援する、テレワーク助成金なども用意されていて、東京都では250万円が支給されるということです。これ、知りませんでした。

https://www.shigotozaidan.or.jp/koyo-kankyo/joseikin/kinkyutaisaku.html

 

働く社員にとっても、安心安全が担保され、満員電車に乗る苦痛から解放されます。なんといっても快適な働き方であると体験で知ってしまったこと。

愛社精神に溢れ、会社への帰属意識も高かった社員が、リモートワークを推進しない会社に幻滅を感じて離職をする、そんなケースが多くなったと報道されていますね。

満員電車の通勤を強要する会社は、極端な話、ブラック企業ばりに、これからは求人で大きく不利になることは明白です。

リモートワークは間違いなく働き方のニューノーマルになりますね。これぞまさに働き方改革です。

 

デジタルを取り込む

 

問題なのは私たちの理美容業です。

もちろんリモートワークができる仕事ではありません。そこが求人でこれから不利に働くのは否めないと思います。

が、しかし、主要業務はサロンでの仕事となるとはいえ、バックヤードとしてデジタルな環境づくりは必須だと思います。むしろ今からデジタルへシフトしていかなければビジネスとして大きく遅れをとるだろうと。

そうは言ったって、いったい何ができるのか?

 

たとえば異業種にこういうヒントがります。

GAFAに続く中国のプラットフォーム企業のひとつにアリババがありますが、そのアリババは百貨店を買収しました。そこで人気となっているのがデパートの化粧品売り場ですが、ここのコンテンツをガラリと変えてしまったのですね。

どういうことかというと、接客しているとき以外は、在宅の顧客に向けて、メイクアップのワンポイントレッスンなどといったライブストリーミングの配信を行って大人気なのだそうです。

これをサロンで応用すればいい。毎朝の簡単ブローの仕方、ヘアスタイルのアレンジ法といったプロのコンテンツを配信するのです。

そこで使用するスタイリング剤やドライヤーなどは売れていきますし、なんといってもカリスマレベルのビューティアドバイザーとしてお客様からの人気は絶大となるでしょうね。もちろん人気はサロンへフィードバックでき、売上の貢献となります。

こういったデジタル化の波にうまく乗ればいい。

 

小商圏で「ハレ」のビジネス

 

デジタル化が加速した現象といえば、さらに立地です。

都心の繁華街、ビジネス街、駅近かといった、今まで有利な立地条件が必ずしも有利にはならなくなったことです。なぜなら、リモートワークで人がいないから。むしろ職住接近で住宅街での立地が優位に働きます。昔からあった、ご近所さん相手の小商圏で成り立つ最寄り店ビジネスです。

 

ただし、高度化、多様化、個性化した顧客のニーズには対応していかなければならない。前提となるのは問題発見能力問題解決能力です。ドラッカーの言うように、「顧客の欲しいのはプロダクトではない。問題点の解決策だ」というわけです。

 

小商圏だからといって、日常の延長である“井戸端会議美容室”をやっていればいいというわけではありませんよ。トーちゃん、カーちゃんでご近所の噂話で花が咲くのではいけません。そんな日常の垢を捨てた、ハレの時間であり空間であるということです。

 

ここで民俗学の知見を披露します。人は日常を生きています。これを民俗学では「ケ」と言います。ケとは穢(けが)れのケで、別名「俗」とも言います。俗世間とか言いますよね。

しかし「ケ」や「俗」ばかりでは人は生きられず、「ハレ」を求めます。別名「聖」とも言います。このハレは非日常のことで、冠婚葬祭が代表的なものです。人は日常と非日常、つまりハレとケを行き来しながら人生を営むということです。どちらが欠けていても生きてはいけないのですね。

 

たとえば、時の権力者は民衆を治めるために「ハレ」と「ケ」を街づくりにも応用します。日常の職場や家庭がケだとするなら、一定の距離に隔てた場所を花街という異空間のハレに仕立てます。江戸時代の吉原がその代表格です。

民衆が日常と非日常を行き来できる場所を、同じ江戸の街中に同居させるのです。こうやって日常でたまりにたまったうっぷんを吐き出させるのですね。ガス抜きです。そうしておけば、世の中を転覆させようといった民衆運動など起こらない。

徳川幕府がなぜ300年の長きにわたって日本を統治できたのか。こういうハレとケを同居させた街づくりもその要因としてあったことを私たちは歴史から学ぶ必要がありますね。

 

ひるがえって理美容室です。

だから、理美容室は「ハレ」でなければいけないということです。

いったんお店のドアを開けたら、そこは「ハレ」の場。日常の垢を取り払ってくれるところなのです。問題点を解決し、美しく変身してより良い日常へと戻っていける、そんな時間であり空間なのです。

 

ここに独特の価値が生まれます。「ハレ」としての価値です。

 

 

 

短兵急になりますが、ここで重要な結論を導きたいと思います。

どんなに世の中がデジタル化で突き進もうが、いや、デジタルにシフトしていけば行くほど、お客様とのリアルで友好な関係こそ、ますます貴重になっていくということです。

 

友好な関係づくりに欠かせないのは、お客様1人ひとりのお悩みや問題点に寄り添い、それをプロの知識と技術によって解決してあげること。

さらに解決した後に、お客様のより良いライフステージを送っていただくための生涯をかけたヘアスタイルを提供し続けること。これがLTV(顧客の生涯価値)真の意味です。

 

以上のことをサロン現場にブレイクダウンし、さらに仕組み化し、ROI(投資効率)の面から見ても有利となる住宅地の立地、店舗面積は20坪以内、店舗デザインはしゃれた非日常。

こういうサロンはこれからいくらだって店舗展開ができます。

 

なぜなら、それを市場が求めているからです。

 

市場の変化とは、本質的に顧客の変化です。

顧客の動きを察知し、景気後退における

価値の再定義を急がなければなりません。

(フィリップ・コトラー

 

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初出掲載:2020 年3 月19 日