Suzu Masa ブログ

辛酸なめた男が美容室「経営」をリアル・ガチで語る

【美容室の解決すべき根本問題】<後編>

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100年遅れの営業スタイル

 

マーケティングを語らせたら業界で私の右に出るものはいないと自負するSuzu Masa です:笑

まず、前回の復習です。

マーケティングの神様コトラーマーケティング・テーゼの変遷です。ここをしっかり押さえておきましょう。

 

マーケティング1.0・・・【製品主導】(1900~1960年)*大量生産大量消費

マーケティング2.0・・・【消費者志向】(1970~1980年)*製品の差別化

マーケティング3.0・・・【価値主導】(1990~2000)*企業の社会的責任

マーケティング4.0・・・【自己実現】(2010年~)*消費者の自己実現欲求

 

美容室の価値が上がらない根本の原因は、マーケティングの現在と美容室の営業の現在があまりにもかけ離れてしまっているということです。大事な着眼点です。

 

まず、美容室の売り物、そう、メニューです。正確には、メニュー主体の売り方です。

カット、カラー、トリートメント、縮毛矯正、髪質改善、ヘッドスパ・・・こういう「メニュー」で売っています。つまり、上記のマーケティング1.0、「製品主導」の発想で商売をしているということになるのです。

これが通用したのが1900~1960年ですから、長くて100年前、遅くて50年前の発想でいまだに商売をしているということになります。

 

現在のマーケティングのテーゼは、すでにマーケティング4.0、つまりお客様の「自己実現欲求」の時代です。

自己実現欲求とは、お客様の立場からわかりやすく言えばこういうことです。

「私のライフステージを自分らしくもっと素敵にしたいの。プロとしてあなたは私に何をしていただけるの?」

これがお客様の自己実現欲求です。明確に言葉にして言わなくても、結局はお客様のホンネの想いです。なにもカットやカラーや縮毛矯正を望んでいるわけではないのです。現実の美容室ではこれらのメニュー主体の営業ですから、お客様はメニューを選ばざるを得ないのです。

そうではなく、自分らしく素敵な人生が送れるように、プロの美容師として何ができるのか。それが問われているわけで、そういった欲求に応えられるのが、マーケティング4.0時代の美容師なのです。

 

余計な干渉はしないで!

 

すでに欲求を引き出すアプローチから違っています。

カウンセリングです。

マーケティング1.0「製品主導」のカンセリングトークの出だしはこうです。

「今日はカットをご希望ですね。どんな形がいいですか。どのくらいの長さで?」

 

このように「製品」=「メニュー」主導で売っていますから、メニュー前提でのスタイル、長さの話にしかカウンセリングは進展しません。

 

となると、こういう現象が待っています。

結局、「うまいわね、それほどでも、にしては高いわね、ほどほど・・・」といった評価です。製品(メニュー)を押し付けてくるのであれば、その製品(メニュー)の良し悪しで判断するしかないからです。

ほとんどのサロンが同じ売り方をしていますから、競合となり、コモディティ化が進展して、最終的には料金以外の差別化はできなくなりますから、価格競争に陥るしかないのです。

これ以外に気の利いた会話でもしようと、美容師さんはプライベートな話までもっていったりしますが、お客様にとっては迷惑以外のなにものでもありません。「私生活に干渉されたくない」で終わってしまいます。

 

製品=メニュー主導の業界

 

どうして業界はこうなってしまったのか。お客様の消費シーンに100年も遅れたままなのか。同じ売り方、同じ売り物で競合店ばかりの血みどろの争いを強いられているのか。あの製品が売れているといえば無批判に導入し、このメニューが評判だといえば、競って導入する、そんな傾向が絶えないのか。

 

技術面でのトレンドの変化はさておくとして、大きな原因は、メーカー主導の業界であったということではないでしょうか。

メーカーとは、製品を開発・製造をするところです。どうしても製品が前面に出てしまいます。しかも販売はディーラー、美容室に委ねられますから、他社製品よりもすぐれた製品の価値を全面的にアピールして市場浸透をはかっていかなければなりません。

そこに業界出版社が雑誌の広告主であるメーカーに、販売代理店であるディーラーに忖度して記事を書くという構図ができあがります。

つまり製品の良し悪しの製造競争、販売競争に美容室が巻き込まれている。そんな美容業界特有の構造です。

だから製品主導・メニュー主導の発想からなかなか抜け出ることができないのですね。

 

私のこと、もっと聞いて!

 

ところが現在のマーケティング4.0「自己実現」の時代はまったく様相が異なります。カウンセリングとは、美容室にとって唯一にして最大の営業機会なのですが、このカウンセリング自体がまったく違ったものになってくるのです。

カウンセリングトークの出だしはこうなります。

「今日はカットとうかがっていますが、その前にお聞きしたいのです。今のスタイルでどこか問題でもありますか?」

 

自己実現」欲求を満たす場合のカウンセリングとして、絶対に踏み外してはならない聞き方の鉄則があります。

こういう聞き方です。「顧客が望むものは製品やサービスではない。問題点の解決策だ」ドラッカーが言うように、すべては問題点を最初の段階であからさまにして、次にそれを解決に導くことがビジネスの本流となります。

 

とくにマーケティング2.0以降は、ビジネスの鉄板、基本姿勢となっています。

人間の心理とは、まず「不快を避ける」、次に「快を得る」という順番に働くのです。つまり、不快である「問題点」を問題点でなくなるレベルまでもっていって初めて「快を得る」心理状態に至るのです。マイナスの心理がゼロの状態になるのですね。

 

問題点を聞き出し、問題点を解決し、その後初めてお客様の「こうしたい」「ああしたい」という欲求のステージに移れます。ゼロの心理状態がここでプラスに働くのですね。そうやってどんどんプラスの状態を加算していく。最終的には現在のマーケティングレベルである4.0、つまり「自己実現」の欲求にランクアップしていくわけです。

 

お客様独自のライフステージに見合った自己実現、その自己実現を満たすために、必要な施術が、カットであったり、カラーであったり、トリートメントであったり、縮毛矯正であったりするのですね。

つまり、自己実現を満たすための「手段」がそれらの施術メニューであるという位置づけなのです。

絶対にこの順序を間違ってはなりません。

だから、お客様は、自分の価値観、信条、生き方といったプライベートな情報も積極的に打ち明けます。なぜなら、打ち明ければ打ち明けるほど自己実現の可能性が高まるという期待値があるからです。

だから、「私のこと、もっと聞いて」となります。

 

4.0時代のカウンセリング

 

マーケティング4.0時代のカウンセリングトークとはどういうものか、個々に異なるお客様の自己実現欲求、その把握の仕方、また、自己実現欲求を満たすための「不快を避けて快を得る」の第1ステップから、段階を踏んだカウンセリングトーク、ステップ・バイ・ステップ、さらに自己実現のための欲求レベルを高度化していって、生涯顧客までランクアップしていただく。

こういった一連のカウンセリング・ノウハウを私は用意しています。

 

このノウハウを身に付ければ、美容室の大きな課題である生産性は著しくアップします。なかには人時生産性で1500円もアップしたという驚異の実績の例もあります。聞くと、お客様が感動して涙を流すそうです。「よくそこまで聞いてくださった。こんな美容室、初めてです」と。

 

しかし残念ながらこのノウハウは、私のクライアント様だけが手にできるもので、当然、私の実践指導付きが必須です。カウンセリングの手法を180度変えなければいけませんが、それは従来のビジネスモデルを180度変えることに等しいのです。互いの信頼関係がないととても成果が出るものではありませんし、またレポートだけ差し上げてそれで良しという安易なものでもありません。

一度、私が主宰する「MASAサロン経営研究所」のホームページをお訪ねください。あなたの希望に見合ったコンテンツが見つかるかもしれません。

 

https://www.masamgt2811.com/

 

 

このように、メニューを前面に掲げる営業のやり方がその効力を失ってすでに100~50年にはなるのです。陳腐化どころか、まったく無効です。無効のなかで互いにお客様の奪い合いをしているのですから、美容室の社会的価値は上がるはずがありません。価値が上がらないから、さらに価値を下げてしまう料金の値下げが横行し、どこぞの集客サイトに多額の広告料金を上納しなければならなくなって、ただでさえ利益が出ないところをさらに利益が圧迫されるといった状態にあります。

さらに、集客コンサルなるものが出没し、こうすれば効果抜群なんて煽っています。これも枝葉の対症療法です。

だから一向に生産性は上がらず、従業員は給料の低さと労働条件の劣悪さに嫌気が差し、さらに生産性は落ちます。負のスパイラルに陥っているのです。

この生産性は経営規模が大きくなればなるほど低下してきます。すでに従来のマーケティング1.0、つまりメニュー主体のビジネスモデルは崩壊しているのです。

 

お客様の自己実現欲求に対応したマーケティング4.0時代の美容室のビジネスモデル、こちらを一刻も早く立ち上げなければなりません。

 

「どんなマーケティングでも、駄作をヒットさせることはできない。」

スティーブ・ジョブズ

 

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初出掲載:2020 年3 月19 日