Suzu Masa ブログ

辛酸なめた男が美容室「経営」をリアル・ガチで語る

【美容室の解決すべき根本問題】<前編>

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枝葉のことで騒ぐ

こんな時代です。

少しでも不安を解消しようとしてか、やれ新製品・新メニューだとか、画期的集客方法だとか、副業とか、こっちの水は甘いぞとばかりに、さかんに吹聴する人がいます。

反対に、いたずらに不安を煽って、よくない方向へ誘導しようとする邪(よこしま)な人もいます。

 

いずれにしろ、そんなことは枝葉のことにしか過ぎません。対症療法にしか過ぎないのです。

対症療法にばかりお金と時間を使っていると、1つの問題を解決したと思っても、また1つの問題が起こり、その問題を解決したと思ってもまた新たな問題が・・とキリがありません。

なぜなら、根本治療を怠っているからです。

生産性が思うように上がらないのは、稼働率に問題があるからです。稼働率になぜ問題があるのか、それは集客ができていないからです。なぜ集客ができていないのか、リピート率が低いからです。

なぜリピート率が低いのか。お客様の満足度が低いからです。

では、なぜ満足度が低いのか。

・・・こうやって問題を追求していくと、根本的な問題点に突き当たります。

 

根本的な問題点に突き当たるまで追求しないで、よーし集客に力を入れようとお金をかけて集客活動をして、それで効果が一定程度あったとしても、ザルで水をすくうようなもの。すぐにこぼれていってしまいます。

なぜなら、一度は来店に結び付けたとしても、不満足が解消されない限り歩留まりは起きません。リピートには至らないからです。

 

こういうときこそ、陽明学の開祖・王陽明の「抜本塞源論」が有効です。つまり、病根を見つけて根こそぎ断つこと。こういう態度こそ望まれるのです。

 

価値と料金の関係

 

さて、価値と価格は相関関係にあります。

ではなぜ美容室の価格、料金は上がらないのか。

というよりも、なぜ料金はデフレ気味なのか。

つまり、美容室で提供するサービスや存在の価値でトータルに判断されるところの美容室・美容師の社会的な価値、これがなぜ上がらないのか。

 

この辺の相関関係をしっかりと理解しなければなりません。

理解しなければ、生産性だって上がるはずがないのです。

 

マーケティングのこと

 

ここでマーケティングを取り上げます。

マーケティングの力をあまりにも業界は軽視してきた、いや、無視してきたに等しいと思います。

だいたい複数店舗を擁する企業体の美容室でも、専属のマーケティング部を設けているとことは皆無に近い。

それほど規模が大きくなければ、経営者がマーケティング業務を兼務しなければなりませんが、マーケティングを単なる販促と勘違いしているケースが圧倒的に多い。

多くの経営者との交流を通しての実感です。

これらの事実だけでもマーケティング無視の実態は証明されているでしょう。

だから今日のテイタラクをもたらしたと言っても過言ではない、そう言い切ってよいと思います。

 

マーケティングを語るうえで絶対外せない巨人、それがフィリップ・コトラーです。初めてマーケティングなる概念を植え付けた先駆者であり、「マーケティングの神様」と呼ばれている人です。

 

その“神様”が時代の変遷ごとに消費者の意識と行動の変化を読み取り、いち早くマーケティングのテーゼを設定し世に発表してきました。

そのマーケティング・テーゼの変遷をざっと見てみましょう。

 

マーケティング1.0・・・【製品主導】(1900~1960年)*大量生産大量消費

マーケティング2.0・・・【消費者志向】(1970~1980年)*製品の差別化

マーケティング3.0・・・【価値主導】(1990~2000)*企業の社会的責任

マーケティング4.0・・・【自己実現】(2010年~)*消費者の自己実現欲求

 

だんだんと消費者(カスタマー)の実像が高度化・多様化・複雑化していっているのが明確です。さらに、マーケティング3.0の時代から、環境や教育に配慮しているのか否かと企業の姿勢に厳しい目が向けられるようになったことにも注目しなければなりません。(カラー剤やパーマ液など生活排水として垂れ流している実態は、環境に配慮しているとはとても言えませんよね)

 

さて、ざっとマーケティングの現在の変遷を見てきましたが、美容業界がなぜ価値が上がらないのか、料金が上げられないどころかデフレ傾向を強めているのか、生産性が上がらずに従業員へ低い報酬しか支給できないのか。

すべての「根本原因」がここにあるのです。

<つづく>

 

「“良いモノは売れる”という考え方は、自分を中心に世界は回っていると考える『天動説』と同じ。」(正垣泰彦:サイゼリア創業者)

 

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初出掲載:2020 年3 月19 日