Suzu Masa ブログ

辛酸なめた男が美容室「経営」をリアル・ガチで語る

経営の差は思考力の差

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考える力とは?

 

今の日本人は考える力がなくなったと言われています。

偏差値教育や○×式の回答ばかりでは、考える力など養われるはずがないという意見もあります。

だから、イノベーティブな起業家もビジョンを語れる政治家も出て来ない。

この辺が諸外国にくらべて決定的な弱点となって国力を衰えさせていると。

 

しかし、原因はその辺にあるとしても、だからといって考える力を放棄してしまってはいけません。人の上に立つ者、責任ある立場にある者はなおさらです。

 

では、考える力とはそもそもどういう力のことをいうのでしょうか。

 

わたしの勝手な考えですが、

考える力とは以下の公式で求められると思います。

 

 ●言語力+想像力=考える力

 

言語が豊かであれば、それだけ価値判断が正確にできます。

想像力のベースとなるのも言語です。

言語が豊かであれば、それだけ想像力が鍛えられます。

 

理解できないと低く見積もる

 

反対に、言語が貧しいと価値判断をする選択肢がせばめられます。

言語が貧しいと、想像力も貧困です。

そのため、本当の価値ある情報に接する機会は減ってしまいます。

 

だいたい、他人様の至極真っ当な意見さえ、何を言っているのか理解できません。

理解できる範囲で判断する。だから判断の選択の幅がせばまってしまいます。

 

かの文豪ゲーテは「人々は理解できぬことを低く見積もる」と言っています。

さすがの慧眼だと思います。

 

そして、理解できる範囲が狭ければ、さらに理解できる範囲の狭い人が一箇所に多く集まれば集まるほど、全体の可能性はせばめられる。

 

これが組織であり、もっと広範囲であれば、理美容業界の現在だと言えると思うのですね。

はっきりと、大胆に言ってしまえば‥‥。

 

理美容業界最大の弱点

 

私が以前やっていた理美容室の経営雑誌。読者対象に何度も講演をやりました。なにも目新しい内容ではなく、多くは雑誌に掲載した内容の再確認といったもの。

ところが全員きょとんとした顔で聞いています。初めて聞く内容だと言わぬばかりに。

「これ、みんな雑誌に載せた内容なんですが」というと、「そうなんですか。やっと理解できました」とおおいに喜びます。そして、結構感動してるようなのです。不思議な光景です。

 

なかにはこんな例もありました。

「いつも読ませてもらっています。特に寝る前に必読です。だって、必ず眠くなるからです」

わからないから眠たくなる。睡眠導入剤の効果が雑誌にはあったというわけです。目の前で言われ、もう笑ってしまうしかありませんでしたね。

 

これではっきりしました。活字ではほとんどの人が理解できていない。理解できていないから、内容を低く見積もる。まさにゲーテの言っている通りなのですね。

 

だから、雑誌は売れない。経営雑誌なんてなおさらです。不景気には経営関連本や雑誌などはよく売れると言われますが、どうやら理美容業界は真逆のようです。

ムダな経費と真っ先に切り捨てる。価値を低く見積もる。なぜなら、理解できないから。

20年雑誌をやっていましたが、理解できない層の人がどんどん多くなってきた。これも実感です。

 

理美容業界は理解できる範囲が狭い。

最大の弱点だと思います。

 

だから業界は成長しない。

なかでも生産性です。理美容業界は労働集約型産業の最たるものですが、労働集約型の生産性を測る最適な指標に「人時生産性」があります。

この人時生産性は2000円程度です。

 

スタッフ1人当たり1時間につき、粗利で2000円しか稼げていません。労働分配率50%としても、時給で1000円しか支給できないことになります。すでに東京都、神奈川県では最低賃金にも及びません。最低賃金の全国平均は930円ですから、どうやら最低賃金をぎりぎり割り込まない程度を維持しているといった状況です。

 

こんな状態を放置したままです。

それ以前に、この数字の意味がわからない人がほとんどではないかと危惧します。

(※生産性を売上と言っている業界の現状です。何度言っても改まりません。だから数字の理解が正しくはなく、自社の「現在地」が客観的にわかりません。現在地がわからなければ、種々に打ち出す施策もピンボケで効果はありません。)

 

この圧倒的に低い生産性を改善しない限り、理美容の未来はありません。

 

市場規模の縮小

 

だから結果は数字で表れます。

市場規模の縮小です。

理美容の市場は、成長どころか縮小を繰り返し、過去5年間でおよそ500億円の縮小。さらに昨年度2020年は、なんと、コロナの影響があったとはいえ、一気に1500億円もの市場が消滅してしまったのです。(「とうとう2兆円の大台を割り込んだ市場規模 今後は一気に廃業の危機?」)

 

とにかく本を読むこと

 

要するに、「言語力+想像力=考える力」を養成する以外に解決の道はありません。

でなかったら、思考力のある異業種の参入組においしいところはすべて奪われてしまうでしょう(今後の理美容の上場企業は異業種が独占しそうな勢いです)

 

まず手始めに、とにかく本を読むことです。これで言語力は鍛えられます。言語力が鍛えられれば想像力が醸成されます。想像力が豊かになれば、それだけ選択肢が豊富に持てるということです。

ただし、わかりやすい本ばかりでは成長は望めません。多少難しくても読み進める。この繰り返しでボキャブラリーは豊かになり、理解できる範囲は広がり、言語力は鍛えられます。

 

理美容室経営者5万人との交流の中から確かに見えてきたものがあります。

それは、数は圧倒的に少ないですが、成功する経営者は例外なく本好きだということです。しかも、ハウツウ本や薄っぺらな内容の本ではなく、じつに良質な本を読んでいます。つまり、思考力を鍛える本です。

 

「思考が人間の偉大さをなす。」(パスカル

「人間は一本の葦にすぎない。自然のうちで最もひ弱い葦に過ぎない。しかし、それは考える葦である。」(パスカル

「思索する人として行動し、行動する人として思索せねばならない。」(エマーソン)

 

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初出掲載:2020 年3 月19 日