Suzu Masa ブログ

辛酸なめた男が美容室「経営」をリアル・ガチで語る

withコロナの美容室経営 ①ペルソナ・マーケティング[その1]

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アフターコロナでサロン経営は激変します。

現在はwithコロナ。すでにパラダイムシフトは始まっています。

 

どう激変するか?

結論から言えば、次のとおりです。

 

withコロナで激変したこと。(ということは、そのままアフターコロナにおけるスタンダードになることを意味します。)

 

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 わかりますよね。コロナ以前は新規集客に血眼になっていました。よせばいいのに、巨大クーポンサイトに莫大なコストを支払って新規集客をしていました。

 

これって、はっきり言って経営者の思考停止です。

集客のための知恵もなければ工夫もない。だから巨大クーポンサイトに集客を丸投げ。おかげでみなさんの貴重な広告宣伝費を巻き上げられ、運営側は500億円という広告料の売上を上げることができました。

 

みなさんの思考停止が巨大クーポンサイトに莫大な売上をもたらしたのです。

 

現在は言わずと知れた「少子高齢化」。地域の人口はどんどん減っているのです。1店舗当たりの集客数の減少が続いていて、なおかつ店舗過剰。そして今回のコロナ禍です。

 

悪循環から抜け出す

 

お客様は、人口増加時代のように、あるいは需要過多時代のように、降って湧いて出てくるのではありません。お客様の離脱が経営に大きなダメージを与え、やがてサロンの市場撤退を促します。そのスピードが早くなった。そういう時代です。

だから集客の視点は、新規集客よりも顧客との関係維持・強化に変わったのです。いやむしろ、いままで顧客との関係維持・強化に経営の力点が置かれていなかったことが、リピート率の悪化を生み、だから新規集客に頼らざるを得なくなり、多大な広告宣伝費を計上し続け、利益が上がらない体質となっていったのです。

 

こういう悪循環から抜け出さなければなりません。withコロナの教訓です。

 

それにはまず、あなたのお店が欲しいお客様は誰なのかを明確にする必要があります。

そして次に重要なのは、欲しいお客様に確実にリーチする広告宣伝の方法と中身を作り上げる必要があります。

 

実質的な価格訴求であるクーポンで欲しいお客様は集まりますか?

新規リピート率50%以下なら宣伝媒体は不適合、投資の失敗と判断します。

 

いいですか、人口減少時代です、1人当たりの集客コストは飛躍的に高まっています。高いコストをかけてお客様を集客できたとしても、新規リピート率50%以下ならザルで水をすくう状態。早急に経営は破たんします。

せっかく集客するのだったらリピート率は70%以上、これが最低限の守るべきベースです。従来の集客法を根本的に改めなければなりません。

 

では、どんな集客法と媒体がいいのか? それは、あなたのお店の主要顧客層、つまりファン客の特徴から導き出せます。

 

ペルソナの最重要3つのポイント

 

それには、「ペルソナ」という手法を使います。ペルソナとは「美容室が提供するサービスにとって最も重要で象徴的な顧客モデル」のことです。

ペルソナを作成する上で最重要ポイントは次の3点です。

 

  • 顧客とは誰か
  • 顧客のゴールは何か
  • 顧客のゴール達成のために、自分たちは何ができるか

 

顧客のゴールとは人生のゴールのことです。それだけ起伏に富み多様性があって、深い人生を視野に入れることがペルソナ・マーケティングの重要な視点です。けっして美容という限られた一断面での視点で済ますわけにはいきません。

 

また巷に出回っているペルソナは、属性の情報だけを集めた簡易レベルのペルソナであって、上記の2と3が欠けています。これではペルソナとは言えません。それでペルソナは手法としてもう古いなどという言い方は見当違いもはなはだしいのです。

 

ペルソナを作成するにあたって、美容室にはとてつもない優位性があります。なぜなら、プライバシーにまで及ぶ深い顧客情報を蓄積できているからです。せっかく集めた顧客情報を利用しないのは宝の持ち腐れです。もったいない!

 

以上3つの最重要ポイントをシナリオにして全スタッフで情報共有します。

 

その場合、架空の特定の個人をシナリオの主人公にします。ファン客を象徴する特定の個人です。

たとえば「鈴木正子」さん。35歳。既婚。2児の母。○○地区の高層マンションに住む。ご主人は年収700万円台のエリート会社員。子育ての時期を過ぎて、自身のキャリアのために、特技を生かして在宅ワークで起業して2年目。

人生の価値は、いくつになっても美容への意欲を失わずにキャリアと家庭を両立させること。

人生のゴールは、自立した余裕のある生活を送ること。

 

これらをシナリオとしてまとめ、情報共有するためにバックヤードに貼っておきます。ペルソナの最終目的は、お客様の人生のゴールを理解し、それを実現するために美容師として何ができるか、その具体的な取り組みをすべてのスタッフが顧客視点で共有し、実施することです。これがペルソナ・マーケティングの醍醐味なのです。

これこそまさにLTV(ライフタイムバリュー、顧客の生涯価値)に直結した考え方なのです。生涯にわたってお客様の価値ある人生をプロとしてサポートすることです。

 

「秋野つゆ」の場合

 

あくまでも特定の個人としてフォーカスすること。それをファン客のかたまりへと巨大化するのがコツです。セグメントをして特定の顧客層へ細分化してアピールしていくというのが従来のマーケティング手法とすれば、反対に微細集団を巨大化することがポイントとなります。

 

小説家の場合がまさに当てはまります。特定の個人(この場合、恋人としましょう)を想定して物語を書く。するとフォーカスされているから、より具体的な人物の描写がリアリティを帯びます。そうやって創作された架空の人物であっても、多くの主人公である「恋人」に自分自身を投影して共感する読者が生まれるのです。

 

こうなれば、同様の特長を持つ母集団がファン客として形成され、確実な顧客との関係性を維持・強化することが可能です。

 

異業種の例ですが、このペルソナとして架空の特定の個人「秋野つゆ」さんを主人公に登場させ、十数年で売上高107億円、出店数70店舗という実績をたたき出したSoup stock tokyoスープストックトーキョー)の例を紹介します。

 

https://www.is-assoc.co.jp/brandinglab/persona-soupstocktokyo

 

ペルソナ・マーケティングのものすごい威力がわかっていただけたでしょう。

美容室がサービスを通じて利益を上げるのではなく、お客様と豊かさを共感して収益に結び付けることこそ「顧客第一主義」です。豊かさとは、ペルソナに描かれた象徴的人物(その背景にはファン客という母集団がある)が、何をもって豊かな人生と考えているかを理解する必要があります。繰り返しますが重要な点です。

ペルソナ・マーケティングは顧客との関係維持・強化をはかるうえで欠かすことのできない、きわめてwithコロナにおける重要な視点なのです。

 

次回では、ペルソナの具体的な作成の仕方、そのテンプレートとヒナ型、ペルソナ・マーケティングに相応しい集客法を紹介します。楽しみにお待ちください。

 

経営者に贈る最も重要な5つの質問のうちの1つ。

「われわれの顧客は誰か?」

ドラッカー

 



 

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初出掲載:2020 年3 月19 日