Suzu Masa ブログ

辛酸なめた男が美容室「経営」をリアル・ガチで語る

「目の付けどころが儲けを生む」【中編】

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サービスの4大特性とは?

 

「目の付けどころが儲けを生む」の【中編】です。

前編・後編と2回で完結しようと思ったのですが、収まりそうもありません。とても重要なことなのでより詳しく説明する必要があるだろう、ということで中編をはさむことにしました。

 

中編の内容は、

 

[3] 長時間、一対一で対応する

 

です。では取りかかります。

 

[3] 長時間、一対一で対応する

 

「サービスの4大特性」というものがあります。理美容業の根幹をなすもので、いわば業としての「原理原則」です。大事なことですので覚えておいてください。次の4つです。

 

  • サービスには形がない
  • サービスは生産と消費が同時に行なわれる(在庫できない)
  • サービスは個別化の対応が求められる
  • サービスは顧客との共同生産

 

理美容業はサービス業です。サービス業の範疇(はんちゅう)に入ります。ですからこの4大特性が当てはまるわけで、各項目をいちいち説明しませんが、なるほど、言われてみればそうだ、と思われるでしょう。

 

繰り返します。これはとても大事なこと。サービス業である理美容業のビジネスの原点であるからです。これらの特質をよくよく検討してみると、いろいろな発見が見いだされます。

 

ここでテーマである「長時間一対一で対応する」という理美容業の特性を、この4大特性とリンクしてみます。

 

お声掛けする「魔法の言葉」

 

まず「新規客」のことを考えてみます。新規客とはどういう特質を持った存在なのでしょうか?

そうです、「新規客=他店の失客」なのです。

「他店の失客」とはどういう心理状態におかれた人なのでしょうか?

 

他店ではかなえられなかった思い・希望があるから、あなたのお店ならこの思いはかなえられるかもしれない。――そんな心理状態におかれている人のことなのです。

 

だとしたら、新規客に対する最初のお声掛けはこのようになります。

 

「今のヘアスタイルでどこかご不満なところや問題点はありますか?」

 

これが新規客があなたにいだくファーストインプレッションで、一気にお客様との距離を縮める【魔法の言葉】となります。

 

お客様が求めているのはカットやカラーではない!

 

あのドラッカーはこんなことを言っています。

「顧客が欲しいのはプロダクトではなく、彼らの抱える問題の解決策だ。」

 

もう1つ格言を紹介します。マーケティング理論の大御所の1人であるセオドア・レビットの著書『マーケティング・イマジネーション』のなかの一節です。

「人は刃が4分の1インチのドリルが欲しいのではない。4分の1インチの穴が欲しいのだ。」

これは短縮されて「顧客が欲しいのはドリルじゃない、穴だ」という言い方が有名になっていますが。

 

そうなんですよ、お客様はカットやカラー、トリートメントが欲しいのではなく、問題点の解決策を欲しているんですね。これが理解できないと、すぐにカットやカラーを勧めるという間違った対応策を提示することになるのです。これが従来の理美容業のあり方でした。いや、今も大半のサロンがそうですね。

 

だから正しいお声掛けは、今のヘアスタイルで不満なところを聞く、あるいは普段のスタイリングで思うようにならない点を聞くことなのです。

 

そして、不満や問題点を聞き出したなら、それを解決するための必要な技術を提示する。また家庭でのヘアのコンディショニングが必要なら最適なホームケアのための店販品をお勧めする。

 

店販品が売れないという声を聞きますが、店販品だけを単独に取り出して別のカテゴリーとして売ろうとするから売れないし、売る側にも心理的抵抗感が生じるのです。

 

あくまでも問題点を解決するためのプロとしての一連の行為ととらえればいいのです。

 

これでお客様はリピーターになってくれる確率は飛躍的に高くなります。断言してもいい。

 

最強のワン・トゥ・ワン・マーケティング

 

最強のマーケティングの現在には「ワン・トゥ・ワン・マーケティング」があります。このワン・トゥ・ワン――の定義とは、業界流に翻訳すると、こういうことです。

「お客様のお一人おひとりの要望に対応し、プロとしての提案を加味しながら、個別にカスタマイズしたサービスを提供すること」

 

そして、ワン・トゥ・ワン――の真髄はこうです。

「これからの消費の実像は、モノやサービスを提供する側、される側とのコラボレーションにある」

 

わかりやすい例としてワン・トゥ・ワン――はこんなふうに導入されています。

たとえばアマゾンに本を注文したとします。過去の購買履歴から利用者の好みに合った本を推薦してくれる機能がありますが、これはレコメンドというワン・トゥ・ワン――を応用した機能です。このように個人個人の属性や関心によってカスタマイズしたモノやサービスを提供することが主流になった時代なのです。

 

ネットの世界でもこの程度のことはやられているわけです。まして理美容は生身の人間をリアルタイムで相手にしているわけです。圧倒的に優位なポジションを確保していることになるのです。

 

「モノやサービスを提供する側、される側とのコラボレーション」その最前線に位置しているのが理美容業なのです。そして、最前線に位置しているということは「これからの消費の実像」を担うということでもあるのですよ。

儲からないはずがないじゃありませんか!

 

ですから、最初にお声掛けをする。そこから問題点の解決策を提示してお客様の納得のもと必要な施術をし、ホームケアで必要な店販品の推奨販売をする。そして、髪質や頭皮の状態がよくなったところで、個々のお客様の要望にのっとった(カスタマイズした)ヘアスタイル、つまり世界に1つしかない、その人独自の、その人が一番引き立つ、その人らしい、ヘアスタイルを提供する。

 

これの繰り返しが深い顧客満足から顧客感動(エンゲージメント)を生み出し続け、揺るぎない繁盛へと導くのです。

 

まだまだこの項目はお話したいことがたくさんあるのですが、あぁ、やっぱり書ききれませんね。とくに今回のキー・ワードであるワン・トゥ・ワン・マーケティングの導入の仕方やその応用は。

またの機会で別の切り口でやりたいと思いますし、2月4日の私のセミナーでもお話したいと思います。とりあえずこの辺で。

 

次は最後の[4]「顧客情報を、それもプライバシーに及ぶ個人情報を収集・管理できる」を【後編】としてお送りします。

 

顧客と市場を知っているのはただ一人、顧客本人である。

したがって顧客に聞き、顧客を見、顧客の行動を理解して初めて、顧客とは誰であり、何を行い、いかに買い、いかに使い、何を期待し、何に価値を見いだしているかを知ることができる。」

ドラッカー

 

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初出掲載:2020 年3 月19 日