Suzu Masa ブログ

辛酸なめた男が美容室「経営」をリアル・ガチで語る

焦るな、ひるむな、立ち位置に還れ!

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引きこもり老人だから見えること

最近、寝つきが悪くて困ります。

からだの具合が悪いとか悩みごとがあるとかではありません。

 

年寄りは早寝早起きなんて言いますが、私の場合は遅寝遅起き。

サラリーマンやOLのあわただしい出勤風景が過ぎた後、モソッと起きだします。

で、一杯の新鮮な水と一緒にサプリを飲み、ストレッチをし、仕上げに丹田式呼吸法をして一日を迎える準備をします。

 

最近はやりのリモートワークならぬ、どこにも出かけずにパソコンに向かって企画書を書いたり、クライアントさんの相談に応えたり、レポートを作成したり、しこたま本を読んだり、ブログを書いたり、気が向いたらSNSに投稿したり、たまに趣味の絵を描いたり‥‥。

そんな生活で、まるで引きこもり状態です。

 

時間を自由にできる、充実した引きこもり状態ですけど(笑)

新型コロナウィルスの感染確率も極端に低い(笑)

 

そうそう、個人事業主として今回初めての確定申告を終えました。

ホッと一安心です。

なお還付金がありましたので、ちょっとしたボーナスをもらえる気分です。

顔が思わずほころびました。

ご馳走してって? いやです、引きこもりですので(笑)

 

 

話を戻します。

自分の現在の生活スタイルを正当化するつもりはありませんが、世間から距離を置いているといろいろなことが見えてくるものです。

 

美容室の立ち位置ってなんだろう

 

たとえば、美容室・理容室の立ち位置です。

 

そういえば英オックスフォード大学のAI研究を専門とするマイケル・オズボーン准教授とカール・フライ研究員とによってまとめられた『雇用の未来―コンピューター化によって仕事は失われるのか』という論文が発表されていて、衝撃的なのはその論文のなかに「10年、20年後に消える職業、なくなる仕事」の一覧が明記されていること。

 

話題となった論文ですから、みなさんもよくご存じのはずです。

 

大半の仕事がなくなると予測されているなかで、その論文ではどんなにAI(人工知能)化が進もうが理美容師の仕事は消滅する可能性は低いと結論づけられていました。

 

安心できますね。理美容業はなくならない。正確に言えば、なくなりにくいと。

 

それはそうですよね。AIを内蔵したロボットが刃物を持って人間の髪を切るなんて想像しただけで恐怖です。

 

でもね、無人で運転する車って、これも同じように恐怖ですよね。

同じように恐怖を覚え、たぶん同じくらいの開発コストはかかるはずです。

 

同じ恐怖を覚え、同じ開発コストがかかるのに、無人で運転する車ってすでに稼働段階にあるんですよ。

今年は5G元年ですから、中継の受信アンテナさえ設置できれば無人自動車は実際に稼働できるようになるんです。そこらじゅう無人の車が走っている。そんな光景が当たり前のようになるのはもうすぐです。

 

どうして美容師の職業がなくならないのか?

 

では、どうして理美容の世界にはAIが進展しないのか。進展しないってことは、理美容師の職業はどうしてなくならないのか?ってことでもありますが。

 

その理由は、いたって簡単。AI化するメリットがないから、です。

お金って仲間が大好きです。ですからお金は仲間のたくさんいるほう、つまり利潤を生むほうに流れます。産業構造を変えてしまうほどのインパクトを持つほうに流れるのです。だってそこには膨大な利潤が生まれるから。

 

運転に従事する人の数は、運輸業で320万人、全産業で6400万人います。美容業で50万人、理容業を合せても80万人程度です。比較になりません。まして市場規模は2兆1000億円程度の産業です。トヨタ一社の税引き前利益にも及びません。

 

だから、AI化する価値がないのです。

 

ということで当分は安心です。

 

美容室利用客のニーズって?

 

いや、そういう方面での立ち位置ではなく、別の角度から考えてみました。

 

理美容室を利用する顧客側のニーズです。

 

髪が伸びたから、いやいやでも仕方がないので美容室へ行く。これは消極的な来店へと向かわせる心理です。その結果は、コモディティ化を引き起こし、料金競争に明け暮れることになります。

 

ではその反対に、美容室へ行くこと自体が楽しい、行く日が待ち遠しい、ワクワクする。そんな心理になってもらえれば、コモディティ化から脱却できます。

 

では、そうなるためにはどうしたらよいか、ということです。

 

それには「感動」「感謝」がキーワードになります。

 

決まっての反論は、そんな抽象的なことを言われても‥‥ですね。

 

ではお聞きします。お客様に対応する時間は1時間あります。しかも1対1で。この長い時間の1対1対応をどうするのですか?

 

もちろんカットをする、シャンプーをする、ブローをする、そんな施術時間にあてているなんて、杓子定規な答えは望んでいませんよ。

 

ここでドラッカーの名言を思い出してください。当ブログの愛読者のみなさんならご存知ですね。

 

「顧客が欲しいのはプロダクトではなく、彼らの抱える問題点の解決策だ。」

 

お客様は美容室行くことによって、なんらかの問題点の解決を望んでいる。その解決策に対して対価を払うのです。

これが鉄板の「来店動機」です。

 

だから、「今日はどうしましょう?」のフレーズはまったく意味をなさないどころか、私のこと何も考えてくれない美容師さんねと、がっかりマークのレッテルを貼られておしまいです。二度と来店はありません。

だから来店を促すためには料金をダンピングするしか手がなくなるのです。

 

そうではなく、「問題点」にアプローチする最初のお声掛けとはこういうものです。

「今のヘアスタイルで何か気になっているところとか問題だなって思っていることってありますか?」

 

そのとき、お客様はこう思うはずです。

何度もいろいろなお店に行ったけど、やっと自分の気持ちを聞いてくれる美容師さんに出会ったと。(この場合、「出逢い」と表記したほうがいいですね。なぜなら今まで問題点にダイレクトにアプローチしてくれる美容師さんはいなかった。少ない確率でやっと出会うべくして出逢ったのですから)

 

具体的に問題点を聞き出して、その問題点を解決するための施術をする。一回で解決できなければ今後の施術プランを説明し、未来の来店を管理することは容易にできます。

これが「感動」を呼ぶのです。

 

はっきり言って、こういうことができていないから新規客のリピーターは極端に少なくなるのです。だってそうですよね、次回来店する理由がないから。

 

次は「感謝」の段階です。

 

一連の施術で問題点が解決すれば、お客様のステージは一気に上がります。こういうことです。

「〇〇さんのおかげで長い間抱えていた問題が解決できました。ありがとう。でね、前々から言おうと思っていたんですけど、じつはしてみたいヘアスタイルがあるの」

 

必ずこうなります。顧客心理は「不快を避けて快に行く」からです。長い間自分を煩わせていたヘアスタイルの問題が解決できた(不快を避けることができた)、次に、解決できたからこそ、こんなヘアスタイルがしてみたいなぁという、長い間心に抱いていた欲求がむらむらとわき起こった(快に行く)のですね。(最初のお声掛け「どうしましょう?」では、不快を解決することを通り越して、いきなり快を求めているからダメなのです)

 

そして、希望通りのヘアスタイルを手にできたお客様は、そこに「感謝」が生まれるということです。やっと理想のヘアスタイルが手にできた!って。

 

こうなるとエンゲージメントが生まれます。

わかりやすい言葉だと「絆」ですね。

絆とは「絶ちがたい一体感」のことです。

 

担当美容師と、お店と、お客様の間に生まれた「絆」。これが最大の価値なのです。

 

消費税増税による来客数の落ち込み、そこに追い打ちをかけるように発生した新型コロナウィルスで、軒並み理美容室は売上の激減状態にあります。

 

こんなときこそ、原点に還り、「自店の立ち位置」をしっかりと把握し直して、お客様1人ひとりに向き合ってください。

 

お客様の消費マインドが冷え込んだからって、あなたまで消極的になってはいけません。

逆に焦って、目先の儲け話に乗ってもいけません。

既存の美容事業でまだまだやれることはいっぱいありますから。

不況こそチャンスです!

 

焦るな、ひるむな、立ち位置に還れ!です。

 

不況またよし。

不況は改善、発展への好機である。

景気の悪い年はものを考えさせられる年。

だから、心の革新が行われ、

将来の発展の基礎になる。

松下幸之助

 

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初出掲載:2020 年3 月19 日