Suzu Masa ブログ

辛酸なめた男が美容室「経営」をリアル・ガチで語る

あなたの未来を左右する、とっても重要なこと

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結論から言います。マーケティングの能力です。

 

かつては技術力の時代と言われました。技術の優劣がサロンの浮沈を決定づけた。

 

それから、技術の優劣を通り越して、経営力の時代と言われるようになりました。

 

そして現在は、経営力にプラスしてマーケティング力の時代であると。

 

 ライバル店なんて目じゃない

 

マーケティングの定義はいろいろありますが、端的にわかりやすく言えば、いくつものライバル店をすり抜けて、あなたのお店に誘客できる能力のことです。

 

もっとわかりやすく言います。髪が伸びたのでカットをしたい。これはニーズ(必要性)です。他のいくつものライバル店を押しのけて、ぜひあなたのお店でカットしてほしいという欲求(ウォンツ)を起こさせる。これがマーケティングの能力です。

 

では、あなたのお店でやってほしいという気にさせ、来店へと行動を促すにはどういった動機付けが必要でしょうか。

 

あなたのお店でなければ手にできない「何か」があるということに尽きます。

 

その「何か」を見つけアピールすること。「何か」って何? ということですが、「アットホームな雰囲気」「くつろげる空間」「千客万来」「○○キャンペーン!」「旬なデザインで外国人風に」「ツヤ感、透明感、ウル髪、」「○○(メーカーの商品名)カラー)」「モテ髪デザイン」「お似合いのデザイン」‥‥いずれも集客サイトから拾ったコピーですが、はっきり言って賞味期限切れのコピーです。なぜなら、どこもかしこも同じようなうたい文句を掲げていて、あなたのお店独自の特長がありません。行ってみたいという魅力に欠けるのです。だからなのでしょう、クーポン乱発で実質的な値下げでしか訴求できなくなっている。

 

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そうではないのです。あなたのお店の独自のウリ。これは必ずあるのです。すると必ずと言っていいほど、カットだとかカラーのバリエーションだとか、トリートメントとか、技術に自信がある人に限ってそんなウリを言い出します。

 

これって、独りよがりの単なる自己満。

 

独自のウリを知る唯一の方法

 

ではそれ以外でウリを見つける方法は? 答えは、お客様に聞けばいいのです。お客様と言って上位の顧客に限ります。2:8の法則って言いますよね。上位2割のお客様が8割の売上を占めるって。あれです、あれ。1000人の既存客がいれば上位の200人。200人の意見を聞いていたら大変? 貴重なマーケティングのことです、労力を惜しむなと言いたいところですが、わかりました、それではたった5%の最上位のお客様でいい。50人です。これならなんとかできそうですね。

 

50人のお客様の属性を調べます。年代、居住地、専業主婦か兼業か、あるいはお勤めか、お勤めでもキャリアか、ファッション性向‥‥などなど。ストックした顧客情報があるからお手のものですね。すると共通項が見えてきます。たとえば、50歳代で専業主婦、居住地は高級住宅地で、およそ世帯の年収レベルは1000万円以上なんて‥‥。

 

さて、肝心のお聞きすることですが、それはただひとつの質問でいい。あ、たったひとつで? ガゼンやる気になりました? 現金ですね(笑) たったひとつの質問とはこうです。「長年当店にお越しいただいていますが、どんなところを気に入って通ってくださっているのですか?」

 

お聞きする際には「トップランクのお客様のご意見をうかがって、ぜひ今後の経営の参考にさせていただきたいのです」――まぁ、礼儀ってものですね。こういった一言を付け加えれば、お客様は喜んで答えてくれます。私の意見でファンであるお店が少しでも良くなってくれればと。また適度にプライドをくすぐりますしね。

 

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最上位50人のお客様の意見を大きめのフセンに書き出しボードに貼っていきます。支持するポイントが一覧でわかります。

 

次に大きく分類します。たとえば「接客」「技術」「環境」「立地」‥‥といったようなカテゴリーに分けます。そのなかで、目立って大きな面積を占めるところが、最大公約数で言って一番の支持されるボリュームゾーンとなります。いわゆるウリとなるポイントということです。

 

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フセンをボードに貼ってお客様の声を集める

 

 一番大きな面積の中で、お客様の具体的な言葉を拾っていきます。たとえば「接客」が一番大きな面積だとしましょう。そのなかの言葉を探すのです。「いつも私のことを気にかけてくれて、頃合いを見て新しいヘアスタイルを提案してくれる」なんていうコメントがあったとします。こんなコメントもあるかもしれません、「私の価値観をよく理解してくれていて、その都度、ライフステージが引き立つ提案をしてくれる」だとか。

 

ハッと来る言葉ですよね。これらのハッと来る言葉を組み合わせてコピーライティングします。少々センスは必要ですが、とにかくやってみてください。やっていくうちにこなれてきます。目を惹くようなコピーが書けてきますよ。

 

これらのハッと来る言葉から取捨選択してコピーを考えてみましょう。こんなふうに。

 

❝ いくつになっても美しさをあきらめない。ライフステージが引き立つ、あなたの人生応援団:プロ美容師群 ❞

 

こんな感じです。いかがですか?

 

これって専門のマーケティング用語で「USP」といいます。圧倒的なウリ、卓越性のことです。これをキャッチコピーにしてアピールするわけです。じつはこのコピー、高度なテクニックを使っているのですが、それともかく、「いくつになっても」でミドル層を対象にしていることはわかりますし、「ライフステージが引き立つ」で、ある程度の生活レベルが豊かな人で、美に対する投資を惜しまない、という含みをコピーに持たせてあります。

 

そうなのです。お聞きした対象の人はミドル層、それも自分の人生の価値を高めるために美に対する投資を惜しまない層。これが、あなたのお店がぜひ来ていただきたいお客様(潜在客)、つまり上位になっていただけるお客様の予備軍というわけです。

 

では次に、そんなミドル層がよく触れるメディアは何か? 場所はどこか? 機会は何か? チラシなのか、タウン誌なのか、地域のコミュニティなのか、ダンス教室あるいはヨガ教室なのか、カルチャーセンターなのか、フィットネスクラブなのか?‥‥集客専門サイトに頼らない方法はこんなにあるのです。

 

触れる機会の多い媒体を使って集客のための広告を打ちます。あるいは目に触れやすい場所にお願いしてチラシを置いてもらいます。(私が一押しなのは、GISという地理情報システムを利用してターゲットとなる地域に集中的にDMをポスティングする方法です。GISは居住している地域住民の属性を完全カバーしていて、あなたのほしいお客様の住居をピンポイントで抽出しますから、その地域に集中してプスティングすればよく、確実に届く仕組みになっています。こんな強力な情報システムを、なんとタダで利用できるのです! 利用しない手はないですよね。郵便局でやっていますから聞いてみてください。実証済みのやり方です。きっと驚くほどの集客効果がありますよ。)

 

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GISはターゲットとするお客様の住居が一目瞭然

 

これがマーケティングを武器にして、あなたのお店に来ていただきたいお客様を確実に集める方法です。こうやって集めるお客様は、割安な料金というアピールでは来店しません。なぜなら、上位5%のお客様と同じような料金を超えた価値をあなたの美容室に求めるからです。(もちろんターゲットとなる客層によって美容室に求める価値は違ってきます)

 

さぁ、あとはチャレンジするのみです。成果を期待しています。

 

<さらにアンケートの取り方、お客様の声の分類方法、キャッチコピーへの落とし込み、GISの利用の仕方など、もっと詳しく知りたいと思われる方は、コメントください。お答えできる範囲でお答えします。実施指導もしてほしいとなると、有料になります。>

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初出掲載:2020 年3 月19 日