Suzu Masa ブログ

辛酸なめた男が美容室「経営」をリアル・ガチで語る

いよいよ生きるか死ぬかの分岐点

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まさにハムレット状態

 

生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ」

有名なハムレットのセリフです。追い詰められた極限状態でこのセリフがハムレットの口から出てきます。

いよいよ追い詰められて、生きるか死ぬか、その分岐点にさしかかったようです。

緊急事態宣言が発令されて1カ月。さらに緊急事態は延長される雲行きです。

これ以上の営業自粛はほとんどのサロンが持たない。

 

休業するのも、時短で営業するのも、どちらも大きなリスクを抱えていて、国の緊急融資は着金まで1カ月以上かかり、雇用調整助成金は受給率が0.1%という、まったく使い勝手が悪い制度であり、また持続化給付金も給付額は売上減少の補填にはとても足りない。というか、申請初日でサーバーがダウンしているようで申請できない状態です。笑うに笑えませんね。

 

補償もなく、営業の自粛要請をされ(あるいはせざるを得なくなり)、コロナ禍の終息も見えないといった、ヘビの生殺し状態に、経営者ばかりでなくそこで働く従業員も、一般の国民も置かれています。休業補償(粗利益額補償)、従業員の給料補償といった思い切った政策を国が断行しなければ、全国のサロン数の半分は生存できないと予測しますし、サロンを含めた中小企業・個人事業者は少なく見積もって半数以上が倒産します。生活破綻者が続出します。

 

倒産すれば失業者が溢れ、生活苦から自殺者が急増します。

 

すでに感染者は想像以上

 

ここに東京新聞の記事があります。それによると抗体検査で5.8%の人に陽性反応があったということです。

サンプル数は200人と少ないのですが、これに先立つ4月23日に、慶応大学病院でも、新型コロナ感染症の治療目的以外で来院した無症状の患者にPCR検査をしたところ、同じく5.97%の人が陽性だったという報道がされていましたので、数字には説得力があります。

 

東京都民1400万人の5.8%といえば、82万人にあたります。82万人の人がすでに新型コロナウイルスに感染している可能性があるということで、想像以上に驚くべき感染者の多さです。

 

しかも症状はまったくなく生活している。

 

これをサロンに置き換えると、来客数100人のうち6人は感染しているお客様を施術していたことになります。さらにゾッとする事態です。

 

とするなら、非常事態宣言そのものはあまり意味がなさそうじゃないですか。事実、宣言して自粛しているにもかかわらず、一向に感染者の数は減りません。なのにもかかわらず、さらに自粛期間を延長する動きですが、一律の自粛要請は経済活動をいたずらに阻害させるだけではないのかと、おおいに危惧します。

これだけ感染していても死亡率は極端に少ない。従来のインフルエンザと大して変わらない、そう思うのですね。

 

30歳以下の死亡者はゼロ。小さな子どもは感染しにくいし感染させにくいということがわかってきたようです。だったら学校の休校は意味がありません。影響を受けるのは70歳以上のお年寄りか、または持病を持っていて免疫力の落ちている人。そういう人だけ集中的に防護の体制を取って、緊急事態そのものを解除、一日も早く経済活動を復活させるのが、企業の大量倒産、大量失業、自殺者の激増を食い止めるための賢明な選択だと思います。

 

この辺のことは危機管理のオーソリティーである京都大学大学院の藤井聡教授も力説しておられます。

youtu.be

 

藤井氏は非常事態宣言の期限である5月6日を目途として、宣言そのものを解除して経済活動を復活させるべきと言われています。

 

私もまったくその通りで、後は政府の政策判断になってしまいますので、これ以上は言及しません。

 

生き残るために

 

今、私たちに何ができるか?です。座して死を待つなんていう人はこのブログの読者には皆無だと思いますので、気を取り直して続けます。

 

サロン数は半減、あるいはもっと減ってしまうとして、生き残るにはどうしたらよいか、です。少なくとも減ってしまうほうの仲間に入ってはいけません。

 

まず、あくまでも本業を続ける、サロン営業を続けるという前提でお話します。

経営の原則は、借金で潰れることはないということです。潰れてしまうのは、支払いをするべきキャッシュがなくなるからです。

 

ここに注目してください。「支払いをするべき」先はどこかということです。

だいたい固定費が8~9割で成り立つ美容業です。では固定費には何があるかといったら、人件費、役員報酬、福利厚生費、家賃、広告宣伝費、借金の返済といったところが支払先の多くを占めます。

 

できるところから削減しましょう!

 

【1】家賃の減額交渉

まず家賃。家賃の減額補償は補正予算でスルーされました。よしましょう、政府に期待するのは。自分たちで減額交渉にあたるしかありません。

家賃をただ下げてほしいと温情にすがって交渉しても、まず無理です。交渉ではなく、まるで子どものおねだりです。大人の交渉をしましょうということで、交渉する材料を用意します。

やむなく休業もし、時短営業までしてやりくりしているが、現在の売上は昨年同月比でこれだけ減ってしまった、このままでは〇カ月後に倒産の危機を迎えてしまう可能性が高い。経費削減のために自分の報酬はこれだけ減らした、従業員にも泣く泣く給料の削減をお願いした(ウソも方便)。できるところは経費を削減する。ついては家賃を向こう〇月間〇%ほど負けてもらえないだろうか。もちろんコロナも落ち着いて業績を復活したら、喜んで家賃は通常通りの金額でお支払いしますからと。

昨年度の売上実績、コロナ禍の影響が出てからの月次の決算書(収益表)、今後の売上シミュレーションなど裏付けとなる資料を持っていって、誠意をもって交渉に当たることです。

大家さんも苦しい事情は承知しています。倒産などして塩漬けになる危険性、また出ていかれたら代わりのテナントを探すのも難しい。これだけの誠意あるお願いを無碍(むげ)に断ることはできません。ただ、大家さんも苦しい。その辺の事情はわかってあげてください。

 

【2】リスケと広告費の削減

リスケ交渉も同じです。返済金額の減額と返済期間の引き伸ばし、あるいは一定期間の支払いの猶予をお願いするのです。家賃交渉に使った資料は必ず用意してください。金融機関がなによりも恐れるのは融資先が返済不能になることです。債務不履行(デフォルト)の事案、つまり貸し倒れとして支店長の成績に響くからです。

 

広告宣伝費の交渉もしましょう。SNSでは大手集客サイトに対して広告費の減額交渉の運動などしているようですが、どうなのでしょうね。クライアント(広告主)の窮状に誠意をもって対応し、交渉に応じるという姿勢があるのでしょうか、はなはだ疑問です。

もとはといえば、私の提唱する集客法を見向きもしないで(これは言い過ぎ)大手集客サイト一社に丸投げしてしまったのが問題ですが、今更それを言っても仕方ありません。どうかこの機会に集客法を見直してほしいと私は切に希望します。

 

いい勉強をしたと思いますよ。契約切れを待って(それまで生き延びていればの前提ですが)安い料金のコースへ移行する、あるいはやめてしまう。そういう決断が必要でしょうね。

そんなクライアントからの要求は織り込み済みなのでしょうね、ホットペッパービューティーを運営するリクルートは取引銀行に対して4000億円の融資枠設定を求めたということです。

 

 

役員報酬の減額なんてどこもやっていることでしょうから、ここは飛ばして従業員の人件費に移りましょう。

 

【3】人件費の削減

休業していても給料を払う。確かに立派なことです。美談といっていいでしょう。しかし、いつまで持ちこたえることができるのか。

「もう限界」――わかります。雇用調整助成金がまったくアテにならないなか、だったら必要人数だけ確保して、余剰人員は辞めてもらうしかありません。解雇をするわけです。仕方ありません、美談でサロンが死んでしまったら元も子もありませんから。非情に徹すること。これも経営者の責任ある決断のひとつです。同時に採算性の悪いお店はスクラップすること(撤退するにもお金が必要ですが)。

 

今の状態では店舗数の多さは自慢になりません。同時に、スタッフ数の多さも。逆に規模の大きさはマイナスに作用します。価値観の大転換ですね。

私のクライアントさんも泣く泣く人件費の削減に着手しました。

 

生き延びるためにはこのように、支払うべき先を整理して削減すること。経営体質をスリムにすることです。

 

Withコロナの筋肉質経営

 

今回の非常事態はいつ終息するかまったくわかりません。完全終息を待つafterコロナではなく、コロナと共存しながら経済活動も続けていくというwithコロナが現実的です。

ということは、コロナ騒動の完全終息後に経営はV字回復するという青写真は当面は描けなくなったということを意味します。

 

営業を再開するのであれ、beforeコロナのときのような業績を上げることは不可能です。だいいち感染防止のための衛生管理は継続するわけですから、集客数にもおのずと限度があります。

 

売上減少が常態となる時代に、ぜい肉を落として筋肉質の営業をしていく。利益を出していく。またいつの日か完全復活する日を信じて、より高く飛び立つために今は身を低く構える時期だと思ってください。復活すれば、経営者として一回りも二回りも大きくなります。

 

かつて和田一夫氏にお会いしたことがあります。ヤオハンの創業者で、流通の風雲児とも言われた和田氏ですが、ヤオハンが経営破たん。失意のどん底にあったときでの出会いでした。

そのとき、和田氏がすがすがしい表情でこうおっしゃっていたのが印象に残っています。

 

「また裸一貫、妻とリヤカーひいて行商すればいいだけの話です」

 

和田氏77歳のときのお話です。まったく頭が下がります。

そう、若いあなたなら、人生やり直しはいくらだってできるのです。

 

今回は、新規ビジネスの創出に関しては一切触れないでおきます。

 

また、やるだけやって、それでもダメだったら、繰り返しますが自己破産もあります。自己破産は想像するほど恐ろしいものではありません。経験者としてのアドバイスです。人生と事業のリセットであり、命のセーフティネットです。ただ、より良い破産のし方というのはあります。よろしかったら相談に乗ります。

 

万策尽きたと思うな!

自ら断崖絶壁の淵に立て。

そのとき初めて

新たなる風は必ず吹く。

松下幸之助

 

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初出掲載:2020 年3 月19 日