Suzu Masa ブログ

辛酸なめた男が美容室「経営」をリアル・ガチで語る

入るを量りて出ずるを制す

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依然終息が見えない新型コロナ禍。

政府の外出自粛要請で理美容室の集客に影響が出ています。

特に当事者の方からうかがった話ですが、ショッピングセンターやスーパーなど複合商業施設にインショップ展開しているケースは相当影響を受けているそうです。人の集まるところを嫌ってそういう施設には人出が極端に少なくなっていますから無理もないかもしれません。

売上は2割減、3割減は驚くレベルじゃない、なかには5割減もあると。

 

東日本大震災リーマンショックを超える経済活動の落ち込みと言われるゆえんですね。

 

こういうときにモノを言うのは、やはり「現金」です。しかも急を要します。

緊急に現金をプールする方法は大きく2つあります。

 

儒教の経典のひとつの『礼記』に「入るを量りて出ずるを制す」という言葉があります。

財政の心構えを説いたものです。つまり、資金繰りをしっかりして、出費を抑えることという、いわば経営の原理原則を説いたのですね。

 

その資金繰り(入る)と出費を抑える(出ずる)ことを同時に行なうことです。

 

1つは「融資」

 

1つは「融資」です。

実質的に無利息の緊急融資制度(セーフティネット融資)が遅ればせながら始まりましたね。

新型コロナ肺炎なんてまったく想定外の、何度も言いますが今は緊急時です。

事業拡大の積極融資ならともかく、平時の借入はお勧めしませんが、今は「有事」です。

会社を緊急時において救うのは、何をおいても「現金」。だから現金はできるだけ多く手元にプールしておいたほうがいい。

 

会社(店)は赤字でもつぶれません。つぶれるのは借入金の返済や従業員への給料、材料の支払いなどができなくなったときです。

 

今のところは大丈夫だと安心していても、以前のメルマガで述べた通り、今はパンデミック第2フェーズに突入していますから、感染したお客様が来店してしまうリスク、従業員が感染してしまうリスクが飛躍的に高まっています。もしそんな事態になれば、営業停止は免れなくなります。その間、2週間になるのか1カ月になるのか不明ですが、売上はゼロになります。一方で、人件費や家賃など経費は出ていきます。

 

そんな事態にいつまで耐えられますか?

 

そういったリスクに備えて、現実に売上が落ちているならなおのこと、なるべく現金はプールしておいたほうがいいのです。

いたずらに危機感をあおっているのではありませんよ。あなたのお店、従業員、お客様を守るための「備え」です。絶対にお店はつぶさないこと。経営者の責務です。

 

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そうならなければならなかったで、幸運と思えばいいだけの話。プールした現金は有利子負債の返済に回したっていいのです。

 

現在、セーフティネットの借入や相談が殺到していて、時間がかかることが欠点ですが。だから、行動は早いほうがいい。

 

もう1つは「リスケ」

 

そしてセーフティネット借入と同時にやってほしいことが、金融機関への「リスケ」交渉です。リスケとは返済条件の緩和のことです。一時的に返済をストップしたり、月々の返済金額を少なくして返済期間を延ばしてもらったりする交渉です。別名、返済の猶予とも言います。

 

ええっ! とてもそんな交渉はできない、だいいち銀行の評価が下がってしまう? そんな心配をされると思いますが、これも緊急時の取るべき一手です。

 

心配いりません、麻生副総理兼金融担当大臣が金融機関に対してリスケには柔軟に対応するようにと強くハッパをかけました。金融機関は金融庁の監視のもと、リスケには積極的に応じるよう体制は整いました。ですから応じてくれる確率は高いと判断していいですね。

 

さらに、金融機関からの評価で「要注意先」にランクが下がってしまうのではないかと心配されるかもしれませんが、中小企業救済のための財政出動の一環ですから、たぶん別枠での扱いになると私は踏んでいます。保証の限りではありませんが。

でも、たとえ評価が下がったとしても、またしっかりと滞ることなく返済し続けていけば評価も変わります。今は将来うんぬんよりも目前の緊急対応が何よりも優先されます。

 

上の2つの方法の他に望まれる対処の方法は、「家賃交渉」「広告宣伝費カット」「新たな設備投資自粛」といったところでしょうか。

 

もちろんそれ以外の方法はいろいろあり、サロンの事情によって異なりますので、ここではこれ以上述べるのは控えます。

 

とにかく、やれることはやりましょう!

それでもダメだったら、そのときはそのとき、ぜひご相談ください。あなたの知らない倒産回避方法はありますから。

 

 内部を充実させる好機

 

この際ですから、やるべきことはやって、さて、あわてず騒がず、立ち止まって考えてほしいことがあります。

 

それは、自分のお店は地域に本当に必要とされている店なのかどうか、という根本的なことです。自店がなくなってしまったら困ってしまうお客様のお顔が何人浮かびますか?

 

複数の具体的なお顔が思い浮かべられたら大丈夫です。サロンはやっていけます。

 

複数のお顔の塊が「上位客」と言われる客層です。

 

恐らく売上の大半をもたらしてくれる上位客は、コロナ禍にあっても他店へは離脱していきません。ただ、感染が心配であなたのお店に行くのを躊躇(ちゅうちょ)されていて、来店時期が遅れているのかもしれません。

 

そうだ、手紙を書こう!

 

だからね、手紙を書きましょうよ。ハガキだっていいですよ。

感染対策はこのとおりしっかりやっています、ご心配いりません。塞ぎがちなご気分をぜひ晴らしにいらっしゃってください。気分が晴れ晴れしますと、免疫力が高まり、個人ができる最高の感染予防にもなりますから。

 

そんな文面の手紙を書くのです。一文字一文字手書きで、気持ちを込めて。個々のお客様のお顔を思い浮かべながら。

きっとお客様の心に届きます。心を動かします。

緊急時こそお客様との「絆づくり」を築くことができる好機なのです。

 

そして忘れてならないのが、従業員とのコミュニケーションです。

ただでさえ不安に感じている従業員です。従業員が落ち込んで仕事をしていたら、お客様に元気をあげることができません。

 

経営者は、こんなときこそ、やれることは全部やっている、大丈夫、心配はいらない。こんなときにでもやって来ていただけるお客様には精一杯の感謝の気持ちをいだいて、気分をリフレッシュしていただくために、全員が思い切りの笑顔、元気でお迎えしよう!

 

そうやって心配や不安を取り除き、「元気」を注入してあげてください。

 

こういう時期だからこそ、組織の内部を充実させる絶好の機会なのです。

経営者の実力が試されるときでもあるのです。

こういった対策をなおざりにしていると、一気に衰退の坂を転げ落ちることになります。

それが不況の真の意味です。

 

不景気は商売がうまくいかない原因ではなく、

平等に与えられた条件に過ぎない。

藤田田

 

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初出掲載:2020 年3 月19 日