Suzu Masa ブログ

辛酸なめた男が美容室「経営」をリアル・ガチで語る

あなたはこの地域間格差に対応できるか?!

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年収は平均ではなく「中央値」で判断する

 

当ブログの読者の方ならマーケティングの重要性は認識されていると思います。美容室や理容室、アイラッシュサロン、ネイルサロン、エステティックサロン地域密着型のビジネスですから、その地域で勝つための適切なマーケティング戦略は必須ですが、そのマーケティング戦略を打ち出す場合、重要で欠かすことができないデータが、その地域の人口動態統計美容に対する消費支出の可能性(消費余力)です。なぜなら美容室のマーケティングエリア・マーケティングがモノをいうからです。

 

美容に対する消費支出の可能性については年収を調べればわかります。日本人の平均年収はおよそ420万円です。この数値がここのところまったく伸びていません。ですから消費税10%の増税は消費を一段と冷え込ませることは明らかです。ということは、GDPの6割を占める消費が上向かないのでGDPは下振れすることが明らかということです。

 

話がそれましたが、とはいえ、平均年収とはあくまでも年収の平均値であるため、とびぬけて大きなデータがある場合、それに応じで値が大きくなる傾向があり、頼るデータとしては不正確です。とくにここのところの年収格差の開きは大きくなっていますから、なおさらです。

 

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より正確なのは、「中央値」です。年収の中央値で見直してみると、日本人の正規雇用、非正規雇用、男性、女性すべてを含む給与所得者の年収中央値は350~360万円程度なります。平均よりも60~70万円低いのです。以下のグラフを見れば実感として受け止められるでしょう。

 

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年収300万円台が突出して多い

 

正規雇用と非正規雇用、男女でこれだけ違う!

 

年収350万円(ボーナス年間60万円)と仮定した場合、月収は約24万円。社会保険や税金を引いた手取り(可処分所得)は18~20万円ほどです。この18~20万円から水道光熱費などの公共料金、家賃、食費、携帯などの通信費といった消費支出の優先順位から差し引いていって、残る金額で美容や理容への支出をするわけです。

 

日本人男性の年収中央値は420~450万円程度です。年収420万円(ボーナス年間80万円)と仮定した場合、月収は約24万円。社保や税金を引いた手取りは22~23万円ほどです。

 

日本人女性の年収中央値は280~300万円程度です。年収280万円(ボーナス年間40万円)と仮定した場合、月収は約20万円。社保と税金を引いた手取りは14~16万円ほどです。

 

正規雇用の年収中央値は430~440万円程度です。年収430万円(ボーナス年間80万円)と仮定した場合、月収は約29万円です。社保や税金を引いた手取りは23~24万円ほどです。

 

正規雇用の年収中央値は150~160万円程度です。年収150万円、ボーナスなしと仮定した場合、月収は約13万円です。社保や税金を引いた手取りは10~11万円ほどです。

 

どんどんやってみましょう。

 

男性サラリーマンの年収中央値は470~480万円程度です。年収470万円(ボーナス年間90万円)と仮定した場合、月収は約31万円です。社保や税金を引いた手取りは24~25万円ほどです。

 

国家公務員の年収中央値は590~600万円程度です。年収590万円(ボーナス150万円)と仮定した場合、月収は約40万円です。社保や税金を引いた手取りは30~32万円ほどです。

 

地方公務員の年収中央値は570~590万円程度です。年収590万円(ボーナス140万円)と仮定した場合、月収は約36万円です。社保や税金を引いた手取りは27~29万円ほどです。

 

現在、日本人の雇用者全体は5596万人です。うち正規雇用数は3476万人で62.1%を占めます。一方、正規雇用数は2120万人で37.9%を占めます。

 

さぁ、どこの層をターゲットとしますか?

 

とてつもない変化が起こっている、年収の地域間格差

 

もうひとつ、大変重要なデータに「全国市区町村所得(年収)ランキング」というものがあります。1741もあるので掲載しきれません。WEBページを掲げますのでご覧ください。あなたが出店している、または出店しようとしている地域の年収はどの程度なのか、しっかりウォッチして検討してみなければなりません。

 

[全国市区町村所得(年収)ランキング]2018年

https://www.nenshuu.net/prefecture/shotoku/in_shotoku_city.php

 

大変興味深いランキングですね。そこで年収のベスト8とワースト5を以下に記します。

 

【年収ベスト8】

1位 港区 東京都 1126万円

2位 千代田区 東京都 999万円

3位 渋谷区 東京都 851万円

4位 猿払町 北海道 765万円

5位 芦屋市 兵庫県 652万円

6位 中央区 東京都 647万円

7位 目黒区 東京都 615万円

8位 文京区 東京都 612万円

 

以下は年収500万円台が続きます。「猿払町」はホタテ漁の大漁で数値が上がっているようです。

 

では、ワースト5を記します。

 

【年収ワースト5】

1741位 球磨村 熊本県 201万円

1740位 大宜味村 沖縄県 204万円

1739位 上小阿仁村 秋田県 208万円

1738位 上砂川町 北海道 209万円

1737位 東成瀬村 秋田県 210万円

 

このように、下位と上位とでは年収に4~5倍の開きがあります。この日本ではとてつもない変化が起こっているのです。これだけ日本の年収は地域間格差が顕著になったということです。この変化を素直に受け止めフレキシブルに対応するしかありません。

 

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あなたのサロンはどこに立地していますか? そして、どの層をターゲティングするのですか? いわばマーケティングの「STP戦略」であり、この変化が急激な時代に戦略を間違えると地域では勝てません。

 

今回のブログは日本人の年収平均値と立地の詳細を明かし、ドラッカーの言う「顧客は誰か?」つまり、自店が誰に対してどのような価値を提供するかを明確にするための戦略、すなわち、勝つための戦略を明らかにしています。

だから、誰かの成功例は一特殊事情の一成功例であって、そのまま真似しても成功はしません。たとえば都心の一等地に展開する「THE BARBER」がありますが、都心の年収600万円台以上のビジネスマンというターゲティングのもとにエリア・マーケティングをしっかりやってこその成功なのです。「THE BARBER」のビジネスモデルをそのまま地方に持ってきても成功しません。都心の成功例は地方では通用しないのです。所変われば品変わる、です。これが正しいあり方です。

 

美容や理容はリピーターによって成り立つビジネスです。マーケティングの4Pのひとつ、つまり価格政策(値決め)は地域によって大きく変動する、あるいは変動しなければならないのです。同一料金のチェーン店が場所によってうまくいかないのはこういう原因があるのです。そのくらい現在の日本は就業形態による所得格差、地域による所得格差が大きく存在しているのです。そこに消費税の増税が消費者のマインドを委縮させてもいるのです。

 

なぜ公共料金は地域によって変わるのか、新車の価格は地域によって変わるのか、コーヒーの値段も変わるのか、家賃も変わるのか。よりセンシティブを要する料金をいくらに設定するか。慎重に行う必要があります。適切な値決めの仕方? ご相談ください。

 

「私はイチゴクリームが大好物だが、魚はどういうわけかミミズが大好物だ。だから魚釣りをする場合、自分のことは考えず、魚の好物のことを考える。」(デール・カーネギー

 

「変化はコントロールできない。できることは、その先頭に立つことだけである。」(ドラッカー

 

 

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初出掲載:2020 年3 月19 日