Suzu Masa ブログ

辛酸なめた男が美容室「経営」をリアル・ガチで語る

間違いだらけのサロン集客【2】

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正しいプロモーション活動

 

最後はプロモーション活動です(前回のブログの続きですから、まだお読みでない人は前回の記事をお読みくださいね)。上位層に届く確率の高い広告宣伝活動です。お勧めはGIS(地理情報システム:郵便局でタダで利用可能)です。ターゲットとする顧客の住所が瞬時にしてわかり、それらの住居に向けて集中的にDMのポスティングをすればよいのです。

 

DMの文面は、もちろんUSPを全面的にアピールすることです。ぜひ自店に来てほしいお客様がわかれば、そしてそのお客様にどんなアピールをすればいいのかがわかれば、最適なツールはおのずと明らかになってきます。これが正しいプロモーション活動です。何がなんでもHPB頼りでは、ピンボケとなり、お金ばかり使っても欲しい顧客層には届きません。

 

もちろん、今の時代はWEBマーケティングの重要性は一気に高まっています。自社ホームページはお断りすることもなく必須です。ホームページの役割も、自社の「強み」や「ポジショニング」を見つけて、顧客に提供できる価値を明確化する。そしてサイトに相応しいターゲット顧客を効率的に誘導し、適切なコンテンツ(サービスやメニュー)をアピールすることです。同時に、SNSを活用して自社(店)のウリ(USP)をアピールしつづけることは大切なことです。前記GISを使ったポスティング、WEBマーケティングの各種ツールを使うなど、効率の良いメディアミックスでのアピールが望ましいところです。どんなツールを使おうが、マーケティングで重要なのは「一貫性」です。各種ツールでバラバラでは意味をなしません。

 

上記、例に挙げたミドル層ですが、いい加減に選定したわけではありません。だいたい東京オリンピックが開催される来年2020年は女性の平均年齢は50歳になります。来店するお客様の2人に1人は50歳以上ということです。ところがほとんどの集客媒体が「若い層」にフォーカスしているのが現状のようです。ですから、美に対する投資意欲が旺盛でお金持ちでもあるミドル層に訴えかける美容室があまりありません。先日も女性の知人から「行きたい美容室の情報が手に入らない」と嘆いていました。魚のいるところにおいしいエサをつけて釣り糸を垂れる、これもマーケティングの鉄則です。

 

年代別セグメンテーションに秀でた宝島社はその辺のニーズにいち早く着目し、日本で初めて60歳代の女性向けのファッション誌『素敵なあの人』を月刊誌として創刊しました。他業界のマーケティング戦略を大いに参考にすべきでしょう。サロンに常備する雑誌の選定は考え直したほうがいいですよ。

 

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 マーケティング戦略にとって最後の大事な総仕上げがあります。それはターゲット顧客に相応しい内外装、衣装、接客対応が求められるということです。例題の場合、落ち着ける空間とBGM、環境整備、清潔感のあるユニフォーム、折り目正しい接客態度などです。

 

業界の内外装コンテストなんて業界ジャーナルを集めて某大手内装業者の主催でやっていますが、ただ豪華、斬新という評価基準だけで、誰を顧客対象にしてこのデザインに決めたのかというマーケティングのコンセプトが不在です。内外装デザインの場合、業者のお勧め、流行のデザインだけで決めている例が多いですが、これでは本末転倒です。私はそう言ってその大手某社を批判したところ、審査にはそれ以降呼ばれなくなったというオチがつきます(笑)。

 

もしターゲット顧客に相応しくない内外装のデザインであれば、変える必要性は確かにあるのですが、何も設備投資のコストを新たにかける必要はありません。それよりも内外装以外で上記に挙げた改善ポイントならはすぐにできるまずです。(接客における「提案力」はすでに述べました)

 

このようにマーケティングとは人・物・金の経営資源を統帥する経営にとってコアであり主要命題です。経営資源のすべてがマーケティングによって一気通貫します。ブレがありません。また、一気通貫させなければいけません。

 

マーケティング4.0とは?

 

補足で説明したいことがあります。補足といっても、サロンの今後を左右してしまうほどの重要なことです。それはマーケティング戦略の変遷です。コトラーが、時代の大きなトレンドを読み取って最適な解=概念を定めたものです。マーケティング1.0~4.0まであります。

 

マーケティング1.0‥‥「製品主義」➡大量生産大量消費の時代に威力を発揮。

マーケティング2.0‥‥「消費者志向」➡市場や顧客ターゲットを絞って市場投入。

マーケティング3.0‥‥「価値主導」➡社会をよりよくしたい欲求に合致。

マーケティング4.0‥‥「自己実現」➡輝かしいライフステージを実現したい欲求。

 

それぞれの詳細を語るのは控えますが、最後のマーケティング4.0」に関しては、その発表が世界に先駆けてこの日本で行ったことは特筆すべきことです。発表したのも2年前の2017年秋。きわめて新しい概念です。なぜ日本で世界に先駆けて発表したのか? それは消費の最前線に日本があるからでしょう。それだけ日本の消費者は消費に成熟しているからです。

 

このように、好むと好まざるとにかかわらず、我々は日本でビジネスを展開しているのです。その成熟したマーケットで顧客の求めるものは自己実現欲求にあるとわかりました。奇しくもマズローの欲求五段階説の最終形と同じです。さすがその道の第一人者(神様)が考えることは同じなのですね。さらに、マズローの欲求の段階ごとにコトラーマーケティングの概念がパラレルに連動していることも驚きです。

 

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マーケティング4.0と欲求5段階説

この自己実現欲求をサロンに置き換えてみれば、顧客の以下の欲求にいかに応えることができるかで、繰り返しますがサロンの経営を左右してしまうと言っても過言ではないでしょう。顧客の欲求とはこういうものです。

 

「私のライフステージをもっともっと輝かしいものにしたい。あなたはプロとして何ができるの?」

 

こういう個々のお客様の欲求に、これまた個々に対応していくこと。なぜなら自己実現はどういうものか1人ひとりに違いがあるからです。かけがえのない世界でただ1人のお客様なのです。ですから、そういう個々の客様に向き合い自己実現のためのお手伝いをすることは、そのまま競合のいないオンリーワンのサービスを提供することになるわけです。

 

美容室ならできます。顧客情報を深いレベルで蓄積しているからです。自己実現欲求に応えられるサロンこそ究極のUSPであり、競合のいないブルーオーシャンの航海となります。価格競争とは無縁です。これが正しい、向かうべきサロンの方向です。

 

マーケティング4.0」はサロンの今後を左右するインパクトの大きなマーケティングの今後を指し示しているとおわかりになったと思います。反対の、従来のマーケティング不在の集客=販促は、利益の残らない、血みどろの争いをするレッドオーシャンであり、最終的には資本力のある大手に飲みこまれる運命になると予測できます。

 

さて、ブログの筆者suzu masaより提案があります。この辺のマーケティングの原理原則から現場の落とし込みまでの実践を、理美容室経営者の方で一緒に勉強・追及していきたいと思う方はいらっしゃいませんか? マーケティングはもとより人の集め方、モチベーションの高め方とエンゲージメント(帰属意識の高まり・絆づくり)の構築法、競合のいないブルーオーシャンに船出するイノベーションの起こし方など、一緒に学ぶ合うお仲間を集めたいと思います。ご興味のある方、ご質問のある方は「コメント」にメッセージをお願いします。

 

人にして遠き慮(おもんばか)り無ければ、必ず近き憂い有り。(論語

(人としての将来までの配慮がないようでは、きっと身近でトラブルに見舞われる)

 

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初出掲載:2020 年3 月19 日